母(ババ・90歳)と暮せば~ざわざわ介護日記~

実母と暮すフルタイム勤務のキャリアコンサルタント日記

本日のババは「デーサービス批評家」


ケアマネさんの一月に一回の訪問日。
ババはケアマネさんを「美人さん」と呼ぶ。
ババは昔から美に対して非常にこだわりがあり、
美しいものや人が好きなのです。


で、美人さん
「デーサービスはどうですか?」
「この前デーサービスの人にも言いましたけど
歌ばっかりで、もうマンネリねって」
「・・・・・」
「クイズも簡単すぎてつまらないからやらないの」
「・・・・・」
私はあわてて
「そんなこと言ったの?失礼でしょ」
というと、母は
「だって、ピアノだってキーを変えて弾けないし、
プロは相手に合わせられないとね」
デーサービス評論家ですか、あなたは。


ケアマネさん
「○○さんは、なんでもおできになりますものね」
「小さいころからなんでもやらせてもらいましたからね。
やりたいということはピアノ、スケート、水泳とか・・・」
今度は自慢話かい。


ケアマネさんが帰った後
「コーヒーでも飲もうかしら」
それって
「コーヒーを淹れてっていうこと?」
と私。
「あら、あなたは飲みたくないの?」
「はいはい、おっしゃる通りにしますよ」
とつぶやく私。


たいていの高齢者は、図々しい。
年齢は恥ずかしさや謙虚さを削いでいくのかしら。


コーヒーを飲みながらチーズケーキを頬張る
91歳の夢はバイオリンとお琴の合奏だそうです。


この1年くらいバイオリンを練習しているの
見たことありませんけどね。
自分に甘く人には厳しい評論家ならではの
夢ではあります。

今年もクリスマスは来るのね

パソコン壊れて

も~ッと自分も壊れそうになり、

急ぎの仕事があったのでネットで

中古買ったらキーボード動かず。


結局ヨドバシで

新しいパソコンを買い、

原稿書きに追われていたら

またもや家の中で

転んで腰を強打。


何もかも背負い過ぎだと

自縄自縛の自分がうらめしい。


世の中はクリスマスなのね。


この華やかな飾り付けにも

ときめかず、

寒い気持ちで眺める日が来るなんて。


ババが母だった私の幼い頃

彼女は自慢の母だった。

美しく、器用で、おしゃれで。


美しく老いることはほぼ不可能だ。

自律的に老いることも難しい。


介護も子育てももっと社会化され


ていい。


何かできることはないか。


そんなことを考えているので

なかなか原稿書きが終わらないのよね。



「あちらにいる鬼」を観て潔さについて思うこと

仕事が休みの日は

なるべく非日常に触れます。


ババをマッサージ店に置いて

映画を観に吉祥寺へ。


あちらにいる鬼


この作品で心が動いたのは

潔さについて



好きな人との思いを断ち切るために

作家は出家することを選ぶ

その作家役の寺島しのぶは

実際に髪を落とす。


人は転機のとき

どう振るい、何を選択するのか


身を切るような選択でしか

前に進めないこともあるよね




寂聴さんの小説

の主人公は

結局人は一人だという

諦観とだからこそ

人を求める情念を感じる。


何かを選択することは何かを手放すこと

介護も何を手放すのか選択の日々。